昨年秋から始まったコラム「業界歴35年 御大Xが競艇に物申す!」も2年目を迎えることになりました。ご拝読、ありがとうございます。第29回となる2021年の新春第一弾コラムは、2日に住之江で開幕する「第59回 全大阪王将戦」の話題から入ろうと思う。

一年の計は元旦にあり、競艇の計は正月開催にあり

まずは恐縮ながら、読者の皆様に「喝」を入れたい。正月開催はどこも、お盆開催と同様、地元のスター選手がずらり集結するシリーズ。一般戦とは思えない豪華な顔ぶれで、正月気分も相まって、つい財布のひもも緩くなりがちなので注意したい。私のポリシーとして、競艇は楽しむことと同時に、負けないことが肝要。一年の計は元旦にあり、競艇の計は正月開催にあり、である。

そしてもう一つ、言わせてもらえば、競艇は的中率でなく、回収率にこだわって欲しい。結果的に身銭が減っていては、仮に全レース的中したとしても、屁のツッパリにもならない。ギャンブルは勝てば官軍、負ければ賊軍。とにかく1円でもプラス収支に持っていけるよう、お互い、気合を入れていきましょう! 新年早々、「~たら」「~れば」と言い訳しているようじゃ、ツキも逃げていきますぞ(笑い)。

住之江伝統の全大阪王将戦、テーマは「新旧対決」

さて、住之江伝統の全大阪王将戦だが、今年も松井繁、湯川浩司、太田和美、田中信一郎、丸岡正典ら豪華なSGレーサーたちが参戦。対して、木下翔太、上田龍星、山崎郡ら、次代の競艇界を担う逸材が2021年の飛躍を期し真っ向勝負を挑んでくる。まさに今年の競艇界の流れを占う意味でも、「新旧対決」がテーマと言えよう。

今回のメンバーで最も注目しているのは松井繁だ。平和島グランプリの優勝戦で6号艇ながら前付けで4コースを奪取。コンマ03のスタートから、寺田祥に競り負けたとはいえ、舟券に絡んだ(3着)レースに、王者復活の兆しを感じた。

続く年末の下関一般戦は現地観戦したが、2日目にフライング。ファンの中には「もったいない」と感じた人もいるかもしれないが、2号艇からインを奪取し、確勝を期した王者の走りに、20201年の復権を予感せずにはいられなかった。結果的にフライングとはなったが、無難なレース運びが定着していた昨今の松井とは一味違う、どん欲さが見て取れた。

グランプリ優勝戦3着で、松井に復権の手応えと意欲が芽生えたのは間違いないだろう。今年は、かつてのオーラを放っていた「王者」松井繁のように、シビアでどん欲なレースを見せてくれるに違いない。現在51歳。今年の11月で52歳になる松井だが、再び競艇界の頂点に立つ姿を見てみたい。それだけ往年の松井繁という男は輝いていた。今回の地元大阪の正月決戦は、F1のハンデなど何のその、強い松井繁が見られると確信している。

田中信一郎は今の低迷ぶりを払拭できるか

一方で、「喝」を入れなければならないのは、田中信一郎だろう。ご存じ、2001、2003、2004年と3度の賞金王決定戦(現グランプリ)などSGを5勝、G1は15勝している大阪屈指の実力派が、近況は輝きを失っている。2000年以降、7、8点台勝率(2010年だけ6点台)を残し続けてきた男が2019、2020年と勝率を落とし、SGは2008年の「賞金王決定戦・シリーズ戦」、G1は2016年の太閤賞以来、優勝から遠ざかっている。最近では一般戦でも簡単に優勝できなくなり、2020年は優勝0に終わっている。

全盛期は、松井以上に輝いていたあの田中信一郎が、どうして……。現在の低迷ぶりに嘆き悲しんでいるファンも少なくないだろう。本人にしか分からない事情もあるのだろうが、ファンにとっては水面での走りがすべて。賞金決定戦3度優勝のビッグネームだけに、松井同様、2021年での復権を期待している。個人的には、近況の田中信一郎に往年の気迫が全く感じられない。それだけ全盛期の田中は闘志に満ち溢れ、ファンの心に刺さるレースをしていた。

2021年住之江初開催となる「大阪正月の陣」。新旧交代と合わせ、大阪の誇りでもあるレジェンド2人の熱い走りに注目している。まだまだ老け込むには早すぎる。松井繁と田中信一郎は、それだけのビッグネームで、今でも多くのファンの支持と期待を集めている。松井繁は初日(1月2日)12Rの王将ドリーム(1号艇)、田中信一郎は2日目(1月3日)12Rの大阪ドリーム(2号艇)に出場する。彼らの走りから目を離すな!