コラム「業界歴35年 御大Xが競艇に物申す!」の第27回は、2020年のボートレースのフィナーレを飾る「プレミアムG 1 第9回クイーンズクライマックス」&「G2 クイーンズクライマックスシリーズ戦」(12月26~31日)の中間報告をお届けしたい。

守屋美穂が得点率トップ、シリーズ戦1号艇は海野ゆかりの手に

注目の「クイーンズクライマックス」は29日、トライアル2回戦が終了。2連勝の守屋美穂が文句なしの得点率トップに立った。一方の「シリーズ戦は」、ベテランの海野ゆかりが得点率トップで準優10Rの1号艇を手にした。

守屋に流れが向いてきた。トライアル1回戦は今年の賞金ランキング1位という実力で勝ち取った1号艇。そして29日の2回戦は枠番抽選で手にした1号艇。今のボートレースでは絶対有利な1号艇の2戦を難なく逃げ切り、早くも初優勝に王手をかけた。

今年は昨年(16優出5V)に迫る15優出4Vと活躍。だが優勝戦1号艇では4戦全敗(2、2、4、6着)と屈辱を味わった1年でもあった。特に8月多摩川の「G1 レディースチャンピオン」では、2コースの平山智加のジカまくりを食らって2着敗退。大舞台での、あの悪夢、プライドを引き裂かれたシーンが、女子屈指の「ファイター」でもある守屋を奮い立たせたのは間違いない。

リベンジの舞台となる年末決戦へ向け、守屋の闘志がひしひしと伝わってくる。2節前の「若松G1 BBCトーナメント」では、男子SGレーサー5人とともに優出。結果は6コースから4着だったが、寺田祥、吉川元浩、毒島誠ら艇界屈指の実力者相手に、一歩も引かない気迫の走りを披露した。

イン逃げを決めた超新星・大山千広に好展開が期待される

続く平和島の「SG グランプリシリーズ戦」でも7戦して3回の舟券絡み。男子相手の大舞台でも、気迫で負けないようになった。まさに悔しさと、強くなりたいという熱い思いをバネに成長した1年。今回のクイーンズクライマックスを優勝するようなら、2021年の女子戦は間違いなく守屋中心に回ることになる。

昨年の「G1 レディースチャンピオン」で頂点に立った24歳の超新星・大山千広がトライアル2戦目でイン逃げを決め、何とか優勝戦線に望みをつなげた。ピット離れで遅れ(インは取れたが)、1マークもスリット後に伸びた2コース小野生奈に握られたが、辛うじて逃げ切りに成功。得点率で3位タイにつけた。モーターは明らかに劣勢だが、2戦目の抽選で1号艇を手に入れるあたりは、やはり「持っている」と言うしかない。30日の3戦目(11R)は6号艇となってしまったが、「持っている」大山なら、絶好の展開が待っているかもしれない。

12R1号艇の小野に気迫あふれる香川素子にも注目

また、さばき確かな平高奈菜が2、2着で得点率2位。女子では屈指のスピードを誇る小野が同3位タイ、2013年のクイーンズクライマックス覇者である平山智加が同6位につけている。特に小野はトライアル最終戦の30日12Rで待望の1号艇。2017年の芦屋レディースチャンピオンに続く2個目のG1タイトルへ、運が巡ってきた。

注目は、ボーダーぎりぎりの賞金ランキング12位でクイーンズクライマックスに参戦してきた香川素子。前検はさっぱりの状況だったが、ピストン2個、リング4本にシリンダーも交換する大整備でパワーアップに成功。水面でも気迫満点のレースで3、2着とまとめ、大山、小野と並ぶ得点率3位タイ。今節の台風の目と言っていい存在となった。

逆に、クイーンズクライマックス2度の優勝歴がある松本晶恵に、寺田千恵、田口節子のベテラン勢は優出へ厳しい状況だが、寺田はトライアル最終戦で待望の1号艇。クイーンズクライマックスも逆転出場を決めた勝負師だけに、このツキは手放さない。

ベテラン海野と山川の奮闘に「元気娘」高田ひかるも目が離せない

一方、「クイーンズクライマックスシリーズ戦」では、ベテランの海野と山川美由紀が奮闘している。海野は随所でテクを発揮して7戦3勝。山川も近況のエースモーターを駆使して、6戦3勝の活躍だ。この2人に、6戦オール舟券絡みの山下友貴を加えた3人が準優1号艇をゲット。特に海野は勝てば優勝戦1号艇が手に入るポールポジション。往年の迫力あるレースを見せてくれそうだ。

最後に、シリーズ戦の台風の目は、2日目前半の8Rで自己責任の転覆をしながら、得点率18位で準優ラストの椅子をゲットした高田ひかる。切符の良さが持ち味の選手だけに、執念の逆転優出を果たした勢いは侮れない。準優10Rは6号艇ながら、「元気娘」高田ひかるの一発に警戒が必要だ。