コラム「業界歴35年 御大Xが競艇に物申す!」の第21回は、12月9日に開幕する「G3 住之江レディスカップ(オールレディース)」について触れてみたい。今や女子戦はボートレース界のドル箱開催。8月に多摩川で開催された「プレミアムG1 レディースチャンピオン」(優勝は平山智加)の6日間の総売り上げは115億1225万700円で、同レース史上のレコードを記録した。G3のオールレディースでも、7月の住之江(優勝は土屋南)で80億円を突破している。年末に浜名湖ボートで行われる「プレミアムG1 クイーンズクライマックス」へ向け、今節の住之江女子戦も白熱したシリーズとなりそうだ。

今節の住之江女子戦注目選手「寺田千恵」と「田口節子」

今節の注目選手は、何といっても、女子の賞金上位12人よる「クイーンズクライマックス」に参戦が決まっている寺田千恵(賞金6位)と田口節子(同12位)の2人だろう。寺田は直前のレディースチャレンジカップ(G2)で優勝を果たし、一発逆転でクイーンズクライマックス出場権を奪取。女子で唯一、9年連続の参戦を決めた勝負強さには脱帽するしかなかった。

年末の女子頂上決戦の初制覇を見据え、今節の住之江オールレディースは負けられない前哨戦。2日目(10日)12Rの「ダイヤモンドドリーム」では、女子レーサーの「レジェンド」として、リスペクトを込めて1号艇に指名されている。持ち前の速攻力に的確なハンドルワーク、そして何より、51歳にして全く衰えを感じさせない気迫、闘志が寺田の真骨頂。今節も問答無用の熱い攻めを貫き、年末決戦へ弾みをつけるだろう。

もう1人、クイーンズクライマックスに参戦する田口節子は初日(9日)12Rの「レディスドリーム」で2号艇に組まれている。ボーダーぎりぎりの12位で年末決戦の出場権を手繰り寄せるあたりは、ここ一番の勝負強さで知られる田口らしさが見て取れた。ちなみに13位の長嶋万記とは約80万円の差だった。寺田同様、まだ優勝実績のない直後のクイーンズクライマックスへ向け、気合が入っている。

「クイーンズクライマックス」というキーワードから「喝」を入れたくなったのは、静岡の三浦永理だ。2012年に新設された、第1回のクイーンズクライマックスを制しているのが、何を隠そう、この三浦だ。今節の住之江も含め、近況のオールレディースではドリーム戦にもお声がかからない低迷ぶりだが、秘めたポテンシャルは寺田や田口にも劣らない。

近況は11月の「多摩川G3 オールレディース」で優出(3着)するなど、ようやく復調気配を示している。強気な攻めとスピード旋回が持ち味で、約3年2カ月ぶりの優勝へ、住之江に限れば約7年ぶりの頂点を目指し、ひそかに闘志を燃やしている。今節の台風の目として、ぜひ注目してもらいたい。

そして地元のアイドル鎌倉涼にも、激励を込めた「喝」を入れたい。2015年には優勝6回で、自身最高勝率(7・30)を記録した実力者だが、約3年の長期ブランク(産休)から復帰後は、まだポテンシャルを十分に発揮しきれていないのが現状だ。今年は5月尼崎と、前節の多摩川で優勝を飾っているが、本来ならクイーンズクライマックスに出場していなくてはならない逸材。まずは寺田、田口らを相手に、来年の飛躍を期待させる「強いレース」を披露してもらいたい。1号艇の初日12Rレディスドリームは、何はともあれ負けられない。確かなターン技術以上に、女子レース界でも屈指の精神力が鎌倉の魅力でもある。

愛知の注目株「出口舞有子」

最後に、粋のいい注目株として、愛知の出口舞有子に触れておきたい。9月にびわこボートで開催された「プレミアムG1 ヤングダービー」では、持ち前の0台のスタートを連発。男子顔負けのスリット攻勢で8戦3勝、舟券絡み5回と大活躍した。まだまだ粗削りだが、キップのいい、小細工なしのレースぶりは、将来性を強く感じさせる。

まだ優出2回で優勝経験はないが、今年は12月8日現在、自身最高の勝率5・58をマーク。デビュー6年目で女子トップクラスと戦えるレベルにまで力をつけてきた。あとは飛躍のきっかけをつかむだけ。今節の住之江がその舞台になることを願っている。