コラム「業界歴35年 御大Xが競艇に物申す!」の第16回は、11月24日に蒲郡ボートレースで開幕する「SGチャレンジカップ」&「G2レディースチャレンジカップ」(11月24~29日)について触れてみたい。

グランプリ、クイーンズクライマックス、トライアル2ndを掛け熱い戦いが予想される

ご存じの通り、来月、平和島で開催される「SGグランプリ&グランプリシリーズ」(12月15~20日)、および浜名湖で行われる「プレミアムG1クイーンズクライマックス」(12月26~31日)の出場権をかけたラストチャンス。特に、グランプリ出場(賞金上位18人)、クイーンズクライマックス(同12人)のボーダーラインにいる選手にとっては、正真正銘、今節が最後の勝負掛けとなる。

1998年に創設されたチャレンジカップで思い出されるのが、住之江で開催された第3回大会の2000年だ。地元平和島での賞金王決定戦(現グランプリ)を控え、賞金ランキングで「圏外」の20位だった濱野谷憲吾が、ラストチャンスのチャレンジカップを見事に制覇。賞金ランキングを4位に跳ね上げ、賞金王決定戦の出場権を射止めた。

濱野谷が優勝後、人目をはばからずに大泣きしたシーンは、今でも忘れられない。地元・東京の絶対王者としてのプライド、責任感が前面に出た、ぶっちぎりのイン逃げ優勝。地元の賞金王決定戦を見据えた、「逆転」優勝劇だった。

今年のグランプリは6年ぶり4度目の平和島開催。11月23日現在、東京支部でベスト18に入っている選手は1人もいない。濱野谷の名前がないのは寂しいが、今節は東京支部から、賞金ランキング44位の村田修次と、同45位の石渡鉄兵が出場する。優勝以外にグランプリに逆転出場する可能性はないだけに、走り慣れた地元水面で意地を見せて欲しい。

村田は今年4月の「マスターズチャンピオン」で2度目のG1優勝を飾るなど、47歳の今も進化を続ける、誠実で努力の男。石渡も地道な努力を欠かさない「いぶし銀」で、これまでSGに66回出場して優勝戦進出は4回の実力派。両者ともにSGタイトル奪取は悲願でもある。今回のチャレンジカップでSG初優勝を決め、地元平和島のグランプリ出場という、今年最大の「下剋上」を期待している。

また、賞金上位6人に付与される「トライアル2nd」の権利をかけた争いも、し烈だ。11月23日現在、賞金1位は峰竜太だが、2位の吉川元浩が優勝すれば、逆転1位の可能性がある。また19位の池田浩二あたりまでは、優勝で「ベスト6」浮上の芽もある。1円でも多く稼いで、グランプリ→トライアル2nd→好枠へ、高みを目指す戦いになる。

注目は毒島誠、女子は寺田千恵と大瀧明日香が悲願達成なるか

そんな中でも注目は、現在関東圏で唯一、ベスト18にいる毒島誠(現在賞金ランキング4位)。これまで6個のSGタイトルのうち、5個がナイターという「ナイターキング」。得意のナイターで7個目のSG制覇となれば、峰に次ぐ賞金ランキング2位に浮上することになる。悲願でもある初のグランプリ制覇へ、毒島の胸にあるのは「優勝」の2文字のみと言える。

一方、年末恒例となったクイーンズクライマックス出場(上位12人)をかけた争いも激戦だ。2012年の創設以来、唯一、8回連続でクイーンズクライマックスに出場中の寺田千恵(51・福岡)は、現在女子賞金ランキング14位。ここ一番の勝負強さ、ハートの強さは、女子レーサーに限らず、競艇界でも屈指の存在だけに、今節にかける秘めた思いは格別のものがある。

また、現在ボーダー上の賞金ランキング12位につける大瀧明日香も、悲壮な決意で蒲郡に臨む。昨年は、わずか約5000円の差でクイーンズクライマックス出場を逃している(賞金ランキングは次点の13位だった)。その悔しさは忘れられないはずで、特に初の地元開催(愛知支部だが、静岡出身)となる今年の浜名湖決戦出場は逃せない。

それぞれの思いを胸に秘め、今年の賞金ランキング上位順に選出されたレーサー(男子34人、女子20人)による熱いバトルが展開される。