コラム「業界歴35年 御大Xが競艇に物申す!」の第10回は、10月29日に桐生競艇で開幕する「G1 開設64周年記念 赤城雷神杯」について。秋の風物詩でもある今年の赤城雷神杯には、深谷知博の優勝で幕を閉じた先日のSGダービー出走組が21人、地元桐生の選手は9人が参戦する。

地元選手の中で存在感を示せなかった秋山と久田に挽回を期待

ダービー帰りの地元選手は4人(江口晃生、秋山直之、久田敏之、毒島誠)。優勝戦(2着)に駒を進めた毒島、前づけ連発で9戦して5回舟券に絡んだ江口は及第点だが、存在感を示せなかった秋山と久田には「喝」を入れなければならないだろう。

もちろん、今回の桐生G1での奮起を期待しての喝だが、特に今の秋山は本来の輝きを失っている。前節のダービーでは複勝率44・4%の好モーターを手にしながら、8戦して【1・0・1・6】。スタートの質が悪いのはご愛嬌だが、秋山がSG、G1戦でターン負けすることが少なくない現状に、寂しさを感じるのは、私だけではないだろう。

かつての秋山の豪快なスピード旋回は、全国でも屈指の存在だった。G1優勝5回、SGでも2回優勝戦に進出するほどの全国区でもあった。だが、今は一般戦でも予選落ちすることがめずらしくない状況で、もどかしさを感じているファンは少なくない。ただ、ダービー5日目の2Rでさく裂させた、1艇身遅れからの3コースまくりは、秋山の底力の一端を見せつけるもの。まだまだ刀は錆びついていない。今回、2007年以来、13年ぶりに桐生G1を制して、かつての輝きを取り戻してほしい。復活を告げる格好の舞台になる。

久田のダービーも見せ場がなかった。複勝率42・8%と、決してモーターの素性は悪くなかったが、8戦して【0・2・1・5】と未勝利に終わった。一般戦では強くても、G1では(実力が)足りない。そんな印象を選手やファンに植え付けてしまっては、殻を破ることはできない。これまでG1優勝はないが優出は7回。SGでも3回、準優に駒を進めている。旋回技術、冷静な立ち回りは十分にG1を取っていいレベル。あとは論より証拠で、タイトルを取るしか殻を破るすべはない。秋山同様、今回の桐生G1では注目している。

出場最年少「関浩哉選手」のポテンシャルにも期待

そしてもう1人、注目している選手は、出場最年少の25歳、地元桐生の関浩哉だ。秋山に似た、豪快な握りマイを連発する若手で、相当なポテンシャルを秘めている。これまた秋山同様、粗削りなのも魅力で、差し、まくり差しを多用する今の若手の中では、貴重な存在と言える。

2節前の桐生ルーキーシリーズでは、優勝戦1号艇を手にしながら、1Mのターンが流れ、2着に終わった。また前節の多摩川ルーキーシリーズは、準優で2コースからスタートで後手を踏み、優出を逃している。ここ一番でターンが流れたり、スタートで遅れたりと、安定感に欠けるが、逆にツボにはまった時の破壊力はG1でも脅威のレベルにある。持ち味であるスピードターンを連発し、ファンや選手のド肝を抜いてほしい。G1初制覇も夢ではない。

G1 開設64周年記念 赤城雷神杯 初日12出場選手

初日12の「赤城ドリーム」の出場選手は以下の通り。

1号艇毒島 誠(群馬)
2号艇吉川元浩(兵庫)
3号艇徳増秀樹(静岡)
4号艇寺田 祥(山口)
5号艇篠崎仁志(福岡)
6号艇秋山直之(群馬)

地元総大将の毒島が、吉川(クラシック)、徳増(グラチャン)、寺田(メモリアル)、篠崎(オールスター)という、今年のSG覇者を迎え撃つ図式。責任感が強く、プライドも人一倍高い毒島にとって、地元で1号艇なら、負けられない気持ちだろう。注目は6号艇に組まれた秋山。近況の戦績ではドリームに乗る資格はないが、地元の期待込みでの推薦枠的な6号艇。期待に応えなければ男ではない。必ず豪快なターンで舟券に絡んでくると思っている。モーター抽選にもよるが、現時点では1-6-全、1-全-6が勝負舟券になる。

ダービーからの転戦組は21人だが、そのダービーで優出した毒島(2着)、上平真二(4着)、枝尾賢(5着)、ベスト18(準優)に勝ち上がった前本泰和、桐生順平、守田俊介、吉川元浩、篠崎仁志らが好調をキープして乗り込んでくる。

そして最後に注目しなければならないのは、出場最年長の地元のベテラン、江口晃生だ。競艇界の「良心」と言える存在で、選手間の信頼も厚い人格者。地元開催の今節は、ダービー以上に問答無用の前づけ策に出るのは必至で、2006年以来、14年ぶりの赤城雷神杯Vを狙ってくる。地元桐生の調整、スタートは体に染みついており、後輩たちに「昭和の競艇」を見せてくれそうだ。