「業界歴35年 御大Xが競艇に物申す!」と題したコラムの第2回は、9月29日に開幕する「G1児島開設68周年記念(キングカップ)」について触れようと思う。

初日12Rのドリームには峰竜太、松井繁、吉田拡郎、菊地孝平、篠崎元志、守屋美穂、2日目12レースのドリームには、茅原悠紀、今垣光太郎、吉川元浩、井口佳典、平尾崇典、大山千広が登場する。

地元岡山のエース茅原は別格として、吉田、守屋、平尾は地元の岡山枠、女子の大山は競艇界を背負うスター候補という期待込みでの選出だ。それ以外は、文句なしの全国区のスター選手で、Wドリームから目が離せない。

山崎智也選手の近況

SG、記念戦線のドリーム戦に名前がないのが当たり前になっているのが、SG11冠、G1タイトルも30回以上取っている山崎智也だ。2012年と2015年の賞金王決定戦を制した艇界のスターが、近況は6点台が当たり前の”普通のA級選手”に成り下がっている。

直前の浜名湖一般戦でも9戦2勝と低迷。最終日は現地で生観戦したが、10Rの選抜戦は6号艇で5着に敗れている。いかにエンジンが出ていなかったとはいえ、進入でも動かず、大外から見せ場なく後方追走では、往年の山崎智の”すごみ”を知る私からすれば、何とも情けない限りだ。

かつての山崎なら、ペラを含めた執拗な整備、調整でパワーアップを図ったに違いないが、近況の山崎は、エンジンが出てないと、そのまま終わってしまうことが多い。

仮にエンジンを出せないなら、進入で動くなり、スタートで攻め切るなり、是が非でも舟券に絡む姿勢が、いまだに彼を信頼するファンへの礼儀と思うのだが、今の山崎は淡泊で、気迫が感じられない。

モチベーションの問題なのか、どこか体調が悪いのかは知らないが、プロのスター選手は、往年の輝きを失うことほど哀れなものはない。

かつての山崎は、インなら鉄板、3コースなら華麗なまくり差し、カドならまくり一撃が代名詞だった。大外6コースでも、鬼気迫る”神旋回”で舟券に食い込んできた。

もはやノーマークの存在になりつつある現在、児島G1で存在感を示してもらいたいと思うのは、私だけではないだろう。地元の桐生G1でもドリーム戦に選ばれない現状を打破するためにも、過去53周年と一昨年の66周年で2勝している児島G1の舞台に注目している。

期待の選手

ところで、今回の「G1児島68周年記念」には、山崎智を含め、SG覇者が18人参戦している。現在の勢いからすれば、峰が優勝候補の大本命となるが、前付け必至の古豪・西島義則、絞りまくり強烈な今垣など個性派も多く、白熱したシリーズになりそうだ。

山崎智同様に奮起を促したいのは、登録番号4700番以降の若手選手。中でも、22日に磯部誠の優勝で幕を閉じた「プレミアムG1 ヤングダービー」に出場していた中村晃朋、大山千広、中村泰平のパフォーマンスに期待している。

バリバリの現場記者だった1992年の「平和島 日本ダービー」で、服部幸男が21歳9カ月という史上最年少でSGを制したシーンは今も忘れられない。他艇が止まって見える、服部の華麗なまくり差しは、コマ送りのように脳裏に焼き付いている。

「水の上では先輩も後輩もない」という服部のセリフはCM用だが、実際のレースでも服部はプロの競艇選手として、先輩に臆することなく、勝利のみを追求した。

良くも悪くも平均的な今の若手に、当時の服部と同じことを望むのは酷かもしれない。だが、服部が21歳9カ月でSGを初制覇したのに比べれば、今節の出場最年少とはいえ、大山千、中村泰も、もう24歳だ。何とか準優、できれば優出ではなく、本気でG1タイトルを取りにきたという気迫を見せて欲しい。

特に天才的なハンドルを入れる女子の大山千広には、F2のハンデをはねのけ、G1制覇という伝説を築いて欲しい。あの服部のインパクトには及ばずとも、競艇界に新たな風を吹き込むのは大山しかいない。